ATSUSHI FUKUSHIMA 福島あつし
灼熱の太陽の下で
Supported by Fujifilm
セノグラファー:たま製作所
※入場は閉館の30分前まで
農業における夏の収穫は、激しい労働と転換の季節である。 福島あつしが活写する、秩序と無秩序が同居する夏の畑に噴き上がる、 生と死のエネルギー
2018年、それまで勤めていたひとり暮らしの高齢者を対象とした弁当配達の仕事を離職していた福島は、友人に誘われ農業の世界に足を踏み入れることとなりました。「もっと穏やかなものだと思っていた」はずの農家として年間10種類近くの野菜を栽培し収穫する日常は想像を絶する激しさで、とりわけあらゆる有機体がその生命力を輝かせる夏は、雑草、虫、害獣、太陽の光と熱、台風など、自然との闘いの連続です。
朝5時に始まり、14時頃に終了するまで、1分1秒を争いながら農作業を続けます。収穫せずに放置していると、気温の上昇によってあっという間に腐敗する野菜。永遠のように続く草むしり、猛威を振るう異常気象──大いなる自然に翻弄されたとき、これまでの社会生活では経験したことがないような、妙に開き直った気持ちよさを感じる瞬間が福島には幾度となくありました。
「膨大な作業量に屈して自分が弱い立場となったことで、初めてほかの生き物と同じ目線で時間を過ごしていると感じました。当初は自然との闘いの果てにある気持ちよさを写真で表現したいと思っていたんですが、解像度が上がっていくうちに、その気持ちよさは、“自分も自然の一部なのだ”という実感からきていると気がついたんです。それはこの歳になって初めて得ることのできた感覚でした。土と汗にまみれ、ほかの生き物たちと作物を奪い合っているこの世界は、実は桃源郷のような美しい世界なのではないだろうか、そう思うようになったんです。そして写真ならその美しさをカメラで抽出して具現化できるのではないか、という期待を抱きました」
そう語る福島は6×7の中判フィルムカメラで、夏の畑にレンズを向けました。みずみずしく輝く収穫物、一緒に作業に勤しむ同僚、腐る寸前の野菜、そこに湧くウジ虫……。自身をも含むあらゆるものを俯瞰した視座で撮影するなかで、福島は畑における生と死という二項対立ではなく、生と死を内包するエネルギーそのものを浮かび上がらせます。福島が切り取る、灼熱の太陽の下で繰り広げられる激しい闘いと、何もかもを剥き出しにさせるような圧倒的なエネルギーは、私たちが日々食する野菜を育む夏の畑というひとつの小さな宇宙に存在する森羅万象を写し出します。
©︎ Kenryou Gu-KYOTOGRAPHIE 2026
© Atsushi Fukushima
© Atsushi Fukushima
© Atsushi Fukushima
© Atsushi Fukushima
Fees 入場料
大人: ¥800
学生: ¥400 (学生証の提示をお願いします。)
会期中1回、全会場に入場できる特別パスポートチケットもございます。
詳しくはこちらをご覧ください。
artist アーティスト
Atsushi Fukushima 福島あつし
大阪芸術大学写真学科を卒業後、高齢者専用の弁当屋に配達員として勤務。10年間、独居老人に弁当を配達しながら写真を撮影をする。2019年に発表した作品〈ぼくは独り暮らしの老人に弁当を運ぶ〉がKG+SELECT Awardにてグランプリを受賞。2020年にはKYOTOGRAPHIEのメインプログラムとして展示し、翌年には青幻舎より写真集を刊行。2018年より農業従事者となる。人と自然との関わりをテーマに夏の激しい収穫期を撮影。今回のKYOTOGRAPHIEが初の大々的な展示となる。2022年には沖縄から北海道まで徒歩による日本縦断を敢行。コミュニケーションをテーマに道々での出会った人々を撮影。現在作品制作中。生きることは力強く美しいという理念を掲げながら写真を撮影している。
Venue 会場
ygion
- 開館時間
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11:00–19:00
※入場は閉館の30分前まで
- 休館日
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無休
- 住所
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〒605-0086 京都市東山区大和大路三条下ル弁財天町19 大和ビル
- アクセス
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地下鉄東西線「三条京阪」駅2番出口から徒歩6分
京阪「三条」駅2番出口または「祇園四条」駅9番出口から徒歩2分
- アクセシビリティー
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入り口に段差(15cm程度)がございます。
当会場にはバリアフリートイレはございません。スーツケースやバックパック等、大きなお荷物は持ち込めません。
キャッシュレス決済のみご利用いただけます。