KYOTOGRAPHIE 2023 11th Edition
2023.04.15 Sat – 05.14 Sun
Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
Yuriko Takagi, India, 2004
Yuriko Takagi, India, 2004
© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
ギニア・コナクリ出身のアルファ。(1999年生)。
左:2016年8月1日、地中海の救助船上で撮影。
右:2019年2月8日、イタリア・ラマッカで撮影。
© César Dezfuli
救助されたゴムボートの乗客118人のポートレートのリスト。2016年8月1日、地中海にて。 © César Dezfuli
存在 existence #11 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
存在 existence #11 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
IT’S THE DEEP BREATH YOU TAKE, mixed media, SERIES ALBA’HIAN ©JOANA CHOUMALI, 2022
IT’S THE DEEP BREATH YOU TAKE, mixed media, SERIES ALBA’HIAN ©JOANA CHOUMALI, 2022
© Gak Yamada
© Gak Yamada
©Coco Capitán
©Coco Capitán
Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
Mount Fuji (Escapism, 2022)
Mount Fuji (Escapism, 2022)
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
SOUL Sista
© Dennis Morris
SOUL Sista
© Dennis Morris
Left: © Ishiuchi Miyako, Mother’s #5
Right: © Ishiuchi Miyako, Mother’s #39
Courtesy of The Third Gallery Aya
© Ishiuchi Miyako, Mother’s #39, Courtesy of The Third Gallery Aya
From the series of Sasurai © Yuhki Touyama
From the series of Sasurai © Yuhki Touyama
Finding Freedom in the Water
© Anna Boyiazis
Finding Freedom in the Water
© Anna Boyiazis
2023.04.15 Sat – 05.14 Sun
あらゆる生命体はさまざまな《BORDER=境界線》を持ちながら生きている。
その境界線が個々の存在を形成しているともいえる。
そしてそのほとんどは不可視なBORDERであり、それぞれが日々その境界線を守り・壊し・狭め・広げながら無常に生きている。
あなたには自分のBORDERが見えているだろうか。
KYOTOGRAPHIE 2023では、そのBORDERを少しだけ可視化してみたい。
その境界線は、自分で作ったものなのか、他者によって作られたものなのか。
それは守られるべきものなのか、超えるべきものなのか。
もしかしたら、自分の「思い」によって変えられるものなのかもしれない。
2023年、KYOTOGRAPHIEでこの《BORDER=境界線》を巡る旅に出よう。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭
共同創設者/共同ディレクター
ルシール・レイボーズ&仲西祐介
「WHERE OCEANS MEET」
Presented by CHANEL NEXUS HALL
会場: 京都文化博物館 別館
Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
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Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
Artwork photo courtesy of Alejandro Gonzales
Mabel Poblet マベル・ポブレット
1986年キューバ・シエンフエゴス生まれ。マベル ポブレットは、写真、ミクストメディア、ビデオアート、キネティックアート、パフォーマンスアートといったさまざまな手法で多彩な制作活動を行い、キューバの現代アートシーンで活躍する若手アーティストの一人である。ポブレットの作品はフィデル・カストロ政権下のキューバで育った若い女性としてのアイデンティティや、より一般的には世界との関係といった、彼女の人生経験と直接的に関係している。37歳にしてすでに世界の主要な芸術祭に参加、各国で開催した個展は20以上を数え、また150以上のグループ展に出品してきた。2017年のヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で《SCALE OF VALUES》(〈Homeland〉シリーズより)が展示され注目を集める。
「WHERE OCEANS MEET」展では、島国キューバに生まれたマベルにとっても重要な要素である「海、水」をテーマにした作品群を紹介する。
「PARALLEL WORLD」
Presented by DIOR
会場: 二条城 二の丸御殿 台所
Yuriko Takagi, India, 2004
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Yuriko Takagi, India, 2004
Yuriko Takagi 高木由利子
東京生まれ。武蔵野美術大学にてグラフィックデザイン、イギリスのTrent Polytechnic にてファションデザインを学んだ後、写真家として独自の視点から衣服や人体を通して 「人の存在」を撮り続ける。近年は自然現象の不可思議にも深い興味を持ち、「chaoscosmos」というプロジェクトにて映像を含め新たなアプローチに挑戦し続けている。KYOTOGRAPHIE 2023では、世界各国の民族衣装を日常的に着ている人々を記録するプロジェクトと、DIORとコラボレーションした最新作を含む現代のファッションを撮影したシリーズをパラレルに展示予定。
「日常的に伝統的な服を着ている人々がまだ世界中に点在している。伝統的な服は時代を超えて、彼らのルーツを反映したアイデンティティーそのものである。彼らの生活感や美意識が、伝統的な服を通して私たちに何かを伝えてくれる限り、私の撮影旅行は続く。」 ─ 高木由利子
「Yesterday’s Sandwich」
In collaboration with MEP, Paris (Maison Européenne de la Photographie)
会場: 藤井大丸ブラックストレージ
© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
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© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
© Boris Mikhailov, VG Bild-Kunst, Bonn
Boris Mikhailov ボリス・ミハイロフ
1938年ウクライナ・ハリコフ生まれ。独学で写真を学び、ソビエト連邦の崩壊に伴うウクライナの激変とその悲惨な結末を、1960年代から心に残る記録として残した。エンジニアとして教育を受け、就職した国営工場にて記録のためにカメラを渡される。そのカメラで妻のヌード写真を撮影し、KGBの工作員に見つかって解雇される。その後、ソ連流の暮らしを普及すべく理想化されたプロパガンダのイメージに反発し、本格的にカメラを手にすることを決意。ドキュメンタリー写真、コンセプチュアルワーク、絵画、パフォーマンスなどの制作活動を先駆けて行った。ボリス・ミハイロフと妻のヴィータは、ベルリンとハリコフを行き来して暮らしている。2022年、パリのヨーロッパ写真美術館にて大規模な回顧展が開催された。
KYOTOGRAPHIE2023では、「Yesterday's Sandwich」をスライドショーで展示予定。ミハイロフがある日、ベッドの上にスライドの束を投げると、2枚がサンドイッチのようにくっつき、美と醜を併せ持つ曖昧で詩的な「二重」の世界が生まれた。それはまるで、政治・宗教・ヌードなど、禁じられたテーマを探求するために暗号化されたメッセージが多く存在していた、当時の社会の矛盾のメタファーのようでもあった。「Yesterday's Sandwich」では2枚のカラースライドを重ね合わせ、公式なイメージを覆すような日常の風景が同時に映し出され、謎めいた超現実的な世界観が漂う。
「Passengers」
会場: Sfera
ギニア・コナクリ出身のアルファ。(1999年生)。
左:2016年8月1日、地中海の救助船上で撮影。
右:2019年2月8日、イタリア・ラマッカで撮影。
© César Dezfuli
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ギニア・コナクリ出身のアルファ。(1999年生)。
左:2016年8月1日、地中海の救助船上で撮影。
右:2019年2月8日、イタリア・ラマッカで撮影。
© César Dezfuli
2022年1月13日、テリミレ(ギニア)。
アブドゥールが埋葬された故郷の土に触れるラマラナ。
ラマラナの兄弟アブドゥールは、2019年1月23日にイタリアで亡くなった乗客の一人。アブドゥールの遺体は祖国に送還され、自宅から数メートルのところにあるテリミレの墓地に眠っている。©︎ César Dezfuli
救助されたゴムボートの乗客118人のポートレートのリスト。2016年8月1日、地中海にて。 © César Dezfuli
César Dezfuli セザール・デズフリ
1991年、スペイン・マドリード生まれ。独学で写真を学び、さまざまな報道機関でジャーナリストとして経験を積む。現在、フリーランスのフォトジャーナリストとして、人道的危機や国際情勢を主なテーマに活動している。これまで、スレブレニツァ虐殺から20年後のボスニア、中国の一人っ子政策に背く家族、ケニア・ルワンダ・コソボでの選挙の実態などを記録してきた。
KYOTOGRAPHIE 2023で展示予定の「Passengers」は、ヨーロッパの国境に押し寄せ危機に瀕する難民たちに焦点を当てた現在進行中のプロジェクトだ。2016年だけでも、地中海を渡ろうとした18万1,436人の難民が救助され、4,576人が海で命を落とした。デズフリは、この中の118人の難民を、リビア沖20マイルを漂流するゴムボートから救助された数分後に撮影。彼らの表情や、長旅の過酷さを彷彿とさせる、すでにその人生を永遠に刻んでしまったかのような体の傷跡を記録した。その後、デズフリはヨーロッパに散らばって暮らす70人以上の人々のもとを訪れ、彼らのポートレートを撮影した。「Passengers」は、彼らが故郷を離れることを余儀なくされた理由を解明し、彼ら一人ひとりの物語に寄り添い、移住せざるを得ない状況に置かれた人々への共感を呼び起こすだろう。
「自然 JINEN」
存在 existence #11 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
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存在 existence #11 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
表象 representation #07 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
世界 world #01 from the series of 自然 Jinen © Yu Yamauchi
Yu Yamauchi 山内 悠
1977年兵庫県生まれ。自然の中に長期間滞在し、自然と人間の関係性から世界の根源的なありようを探求している。独学で写真をはじめ、スタジオアシスタントを経て制作活動を本格化。富士山七合目にある山小屋に600日間滞在し雲上の来光を撮り続け、山での暮らしから宇宙へ意識が広がる体験の中で制作した作品『夜明け』(赤々舎)を 2010年に発表。2014年には、『夜明け』の制作時に滞在していた山小屋の主人に焦点をあて、山での日々から人間が包含する内と外の対話を著した書籍『雲の上に住む人』(静山社)を刊行。2020年には、5年をかけてモンゴル全土を巡り各地で形成される時間や空間、相対的な現実や多元的な世界構造などを探求した作品『惑星』(青幻舎)を発表した。そして2023年、屋久島に9年通い、単身で森の中に1ヶ月近く過ごしながら自然と人間の距離感を探り続けた作品「自然 JINEN」を発表する。長野県を拠点に国内外で展覧会を開催し続けている。
「Alba’hian」
会場: 両足院、出町桝形商店街、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space
IT’S THE DEEP BREATH YOU TAKE, mixed media, SERIES ALBA’HIAN ©JOANA CHOUMALI, 2022
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IT’S THE DEEP BREATH YOU TAKE, mixed media, SERIES ALBA’HIAN ©JOANA CHOUMALI, 2022
I CHOOSE PEACE, mixed media, series ALBA’HIAN triptych ©Joana Choumali, 2022
MAYBE I GREW UP A LITTLE TOO SOON, mixed media, SERIES ALBA’HIAN ©JOANA CHOUMALI, 2022
Joana Choumali ジョアナ・シュマリ
1974年生まれ。コートジボワールのアビジャンを拠点に活動するビジュアルアーティスト/写真家。カサブランカ(モロッコ)でグラフィックアートを学び、広告代理店でアートディレクターとして働いた後、写真家としてのキャリアをスタートさせる。主にコンセプチュアルなポートレート、ミクストメディア、ドキュメンタリー写真に取り組む。シュマリの作品の多くはアフリカに焦点を当て、アフリカの無数の文化について学んだことを表現している。主な受賞歴に、「CapPrize Award」(2014)「Emerging Photographer LensCulture Award」(2014)などがある。2019年には、「希望」をテーマにしたシリーズ「Ça va aller」で、第8回「プリピクテ」のアフリカ人初の受賞者となる。著作に『HAABRE, THE LAST GENERATION』(2016)がある。2020年、ハーバード大学ピーボディ考古学・民族学博物館のロバート・ガードナー・フェロー(写真部門)に任命された。KYOTOGRAPHIE 2023では、2つのシリーズを展示予定。両足院で展示する最新作「Alba'hian」では、プリントに直接刺繍を施し、ゆっくりとした瞑想的なアプローチで写真のイメージを作り上げている。出町桝形商店街での展示では、KYOTOGRAPHIEの常設スペース「DELTA」がある出町桝形商店街の人々のポートレートと、コートジボワールのアビジャンの商店街の人々のポートレートに刺繍を施した新作を発表予定。
Presented by Ruinart
Ruinart Japan Award 2022 Winner
会場: HOSOO GALLERY
© Gak Yamada
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© Gak Yamada
© Gak Yamada
© Gak Yamada
© Gak Yamada
Gak Yamada 山田 学
1973年愛媛県生まれ。大学時代に写真に出会い、世界各国を旅し撮影をおこなう。仏教への関心から、インド・ネパールへと旅をした後、突如として色彩の溢れ出すような幻覚を視るようになり、絵画へ転向。その後、森山大道氏の写真集『写真よさようなら』からの強烈な衝撃を受け、絵画の系譜を踏まえた上で写真活動を再開。舞台の映像演出や、朗読・音響パフォーマンスなど、活動は多岐に渡る。2015年PARASOHIA(京都国際現代芸術祭)「やなぎみわ ステージトレーラープロジェクト」では音響・朗読のパフォーマンスで開幕を飾った。
KYOTOGRAPHIEインターナショナルポートフォリオレビューの参加者より受賞者が選ばれる「Ruinart Japan Award 2022」を山田が受賞し、 2022年の秋にフランスを訪れルイナールのアート・レジデンシー・プログラムに参加した。ルイナールの葡萄畑で収穫した葡萄の実や葉、畑にあった石、シャンパーニュ、京都から持参した箔などを用いて撮影し、現地で滞在制作した。写真作品に加え、白亜のシャンパーニュカーヴで録音したサウンドを交えた映像によるインスタレーションを発表予定。
With the support of LOEWE FOUNDATION and HEARST Fujingaho
会場: ASPHODEL
©Coco Capitán
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©Coco Capitán
©Coco Capitán
©Coco Capitán
©Coco Capitán
Coco Capitán ココ・カピタン
1992年、スペイン・セビリア生まれ。ロンドンとマヨルカ島を行き来しながら制作活動を行う。2016年ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートの写真分野の修士課程を修了。カピタンの制作活動は写真、絵画、インスタレーション、散文など多岐に渡り、ファインアートとコマーシャルアートの領域にまたがっている。近年の個展に「Naïvy in 50 [definitive] Photographs」(パルコ・ギャラリー 東京 2022)、「Naïvy」(マキシミリアン・ウィリアム・ギャラリー ロンドン 2021)、「Busy Living」(ヨーロッパ写真館 パリ 2020)、 「Is It Tomorrow Yet?」(デリム美術館 ソウル 2019)がある。主な著作に、『Naïvy』『If You’ve Seen It All Close Your Eyes』 『Middle Point Between my House and China』などがある。カピタンは2022年10月から2022年12月までKYOTOGRAPHIEのアーティスト・イン・レジデンスとして京都で滞在制作を行い、ティーンエイジャーにフォーカスし、フィルムカメラで撮影。伝統的な家庭で育つ少年少女、学生、ストリートで活動している若者らのポートレートを展示予定。
KG+ Select 2022 Winner
会場: 八竹庵(旧川崎家住宅)2F
Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
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Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
Kazuhiko Matsumura, Heartstrings ©Kyoto Shimbun Newspaper
Kazuhiko Matsumura 松村和彦
1980年生まれ。2003年、記者として京都新聞社に入社。2005年に写真記者となる。「人生」「社会保障」「ケア」をテーマに作品制作に取り組む。写真集に、京都の芸舞妓の人生を描いた『花也』(2014年 京都新聞出版センター)、個人的な作品として取り組み、家族の生と死を通じて命のつながりを描いた『ぐるぐる』(2016年 自主制作)がある。2019年春にKG+にて発表した写真展「見えない虹」では、地域医療や在宅医療を先駆けて行っていた京都・西陣の早川一光医師に長年にわたり密着。早川医師自身が在宅医療を受ける側となって知った気づきや、周縁のできごとを多角的にとらえ、その人生を通じて日本の社会保障史をたどった。2021年、同作品で写真新世紀にて佳作を受賞。認知症について長期にわたり取材し、写真と記事が京都新聞に連載され、雑誌にも寄稿する。4組の認知症の本人・家族・周囲の人々に取材を重ね、それぞれの日々や移ろいをとらえた作品を「心の糸」としてKG+SELECT 2022にて発表し、グランプリを受賞。KYOTOGRAPHIE 2023では、同シリーズを展示予定。松村の写真と言葉は、認知症への理解を深めるきっかけを真摯に提示し、超高齢社会に一筋のやわらかな光を照らしている。
「Escapism」
In collaboration with IMAGES VEVEY (Switzerland)
会場: 嶋臺(しまだい)ギャラリー
Mount Fuji (Escapism, 2022)
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Mount Fuji (Escapism, 2022)
Beach I (Escapism, 2022)
Making-of Escapism, 2022 (various Swiss coffee-cream lids)
Roger Eberhard ロジャー・エーベルハルト
1984年生まれ、スイス出身の写真家。チューリッヒとベルリンを行き来している。領土やグローバリゼーションなど、現代社会において緊迫した問題に関連するテーマとして制作活動をしている。2011年、写真に特化した出版社b.frank booksを設立。シリーズ〈Human Territoriality〉にて、「Most Beautiful Swiss Books 2020」を受賞した。彼の作品は、C/Oベルリンやビクトリア国立美術館(オーストラリア)など、世界各地で広く展示されている。
KYOTOGRAPHIE 2023では、2年に一度スイスで開催される写真フェスティバルIMAGES VEVEYがプロデュースし、2022年に同フェスティバルで展示された作品「Escapism(エスカピズム)」を展示予定。「エスカピズム」とは、「気晴らしや安らぎを求めて、世間や市民生活から引きこもる姿勢」と定義されている。エーベルハルトは、この「エスカピズム」プロジェクトの中核として、コーヒーフレッシュの蓋をはがしてコレクションするというスイス独特の伝統に着目した。何十年にもわたり蓋を交換しコレクションを増やす人もおり、この娯楽は一部の人々にとってある種の執着のようになっている。そうしてその蓋は、スイスの人々の想像力の中に浸透していった。蓋に描かれた写真は、驚くべきことにあらゆるジャンルの写真に及んでいる。エーベルハルトは、エキゾチックな風景を高解像度で接写し再解釈することで、コーヒーブレイクに蓋のことを考えながら日常から束の間離れるという、スイスらしい習慣の核心に迫った。そして粗い粒子の画像がその本質をあらわにし、見る者を現実に引き戻す。
「Happy Pills」
With the support of the Embassy of the Kingdom of the Netherlands and the Embassy of Switzerland in Japan
会場: くろちく万蔵ビル2F
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
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©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
©︎ Paolo Woods & Arnaud Robert
Paolo Woods & Arnaud Robert パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール
幸福の定義は永らく、宗教や哲学、あるいは政治に委ねられてきた。ところが今日、この普遍的な探求は、ますます製薬業界の管轄になってきているようだ。製薬業界は、現代のあらゆるツール─科学、マーケティング、コミュニケーション─を駆使して、この究極の人間の願望に対する標準化された自動応答をすべての人に提供している。今まで以上に、幸せになることは義務となるだろう。ジャーナリストのアルノー・ロベールと写真家のパオロ・ウッズは5年間にわたり、「Happy Pills(幸せの薬)」を追求すべく世界中を旅した。Happy Pillsとは、目に見えない傷を修復する薬、人々に行動を起こさせる物質、働くことや元気になることを助ける物質、鬱病患者が完全に倒れることを避けるための処方、ワーキングプアが家族を養うために服用する鎮痛剤などだ。ニジェール(アフリカ)、アメリカ、スイス、インド、イスラエル、ペルーのアマゾンまで、かつて永遠に解決しないと言われていた問題をあっという間に「解決」するべく、大手製薬会社は世界中でアクションを起こしているのだ。本展では人々をHappy Pillsに導くシステムとは何かについて問いかける。
「Colored Black」
With the support of agnès b.
会場: 世界倉庫
Boy tricycle
© Dennis Morris
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Boy tricycle
© Dennis Morris
SOUL Sista
© Dennis Morris
Count Shelly sound system
© Dennis Morris
Dennis Morris デニス・モリス
1960年生まれ、イギリス出身。9歳のときに写真をはじめ、11歳の時に英国の主要日刊大衆紙『デイリー・ミラー』にて作品が掲載される。レンズを通じ非凡な人物たちの真髄に迫り作品を発表している。1974年には、ボブ・マーリーの初の全英ツアーに同行。音楽シーンと密接に関わり、ボブ・マーリー、セックス・ピストルズ、マリアンヌ・フェイスフルのアルバムのカバーなど、人々の印象に深く残るアイコニックな写真作品を多数発表している。また、イギリス・サウスオールのシーク教徒のコミュニティの本質をとらえ撮影した作品群がイギリス政府のイングリッシュ・ヘリテッジに所蔵された。主な刊行物に、ボブ・マーリー写真集『A Rebel Life』、セックス・ピストルズ写真集『The Bollocks』などがある。
モリスの作品は、Today Art Museum(北京)、ラフォーレミュジアム(東京)、アルル国際写真祭(フランス)、The Photographers' Gallery(ロンドン)、The Institute of Contemporary Arts(ロンドン)、テート・ブリテン(ロンドン)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ロックの殿堂(アメリカ クリーブランド)など世界各国で展示されている。
主な所蔵先に、テート・ブリテン、ナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン)などがある。
KYOTOGRAPHIE2023では1960-70年代のアフリカ系イギリス人の年代記ともいえる〈Growing Up Black〉シリーズの作品と、代表的なポートレート作品を展示する。
With the support of KERING’S WOMEN IN MOTION
会場: 誉田屋源兵衛 竹院の間
© Ishiuchi Miyako, Mother’s #39, Courtesy of The Third Gallery Aya
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© Ishiuchi Miyako, Mother’s #39, Courtesy of The Third Gallery Aya
© Ishiuchi Miyako, Mother’s #5, Courtesy of The Third Gallery Aya
© Ishiuchi Miyako, Mother’s #57, Courtesy of The Third Gallery Aya
Ishiuchi Miyako 石内 都
群馬県桐生市生まれ。神奈川県横須賀市で育つ。1979年に〈Apartment〉で第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2005年、母親の遺品を撮影した〈Mother’s〉で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出される。2007年より現在まで続けられる被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉も国際的に評価されている。2013年紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。近年の主な展覧会・出版物に、個展「Postwar Shadows」(J・ポール・ゲッティ美術館 ロサンゼルス 2015)、写真集『フリーダ 愛と痛み』(岩波書店 2016)、個展「肌理と写真」(横浜美術館 2017)、個展「石内 都」(Each Modern 2022 台湾)、個展「Ishiuchi Miyako」(Stills 2022 エディンバラ)、「六本木クロッシング」(森美術館 2022)などがある。作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、ニューヨーク近代美術館、J・ポール・ゲッティ美術館、テート・モダンなどに収蔵されている。
本展は、ケリングの「ウーマン・イン・モーション」の支援により制作される、世代の違う女性写真家2名による対話的なエキシビションとなる。「ウーマン・イン・モーション」は、アートとカルチャーの分野で活躍する女性に光を当てることを目的として2015年に発足し、以降様々な芸術分野における女性の地位や認識について理解を深め、変化を促すためのプラットフォームになっている。
With the support of KERING’S WOMEN IN MOTION
会場: 誉田屋源兵衛 竹院の間
From the series of Sasurai © Yuhki Touyama
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From the series of Sasurai © Yuhki Touyama
From the series of Sasurai © Yuhki Touyama
From the series of Line 13 © Yuhki Touyama
Yuhki Touyama 頭山ゆう紀
1983年千葉県生まれ。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。生と死、時間や気配など目に見えないものを写真に捉える。自室の暗室でプリント作業をし、時間をかけて写真と向き合うことで時間の束や空気の粒子を立体的に表現する。主な出版物に『境界線13』(赤々舎 2008)、『さすらい』(abp 2008)、『THE HINOKI Yuhki Touyama 2016−2017』(THE HINOKI 2017)、『超国家主義−煩悶する青年とナショナリズム』(中島岳志 著、頭山ゆう紀 写真/筑摩書房 2018)がある。
本展は、ケリングの「ウーマン・イン・モーション」の支援により制作される、世代の違う女性写真家2名による対話的なエキシビションとなる。「ウーマン・イン・モーション」は、アートとカルチャーの分野で活躍する女性に光を当てることを目的として2015年に発足し、以降様々な芸術分野における女性の地位や認識について理解を深め、変化を促すためのプラットフォームになっている。
「レジリエンス ── 変化を呼び覚ます女性たちの物語」
With the support of Embassy of the Kingdom of the Netherlands
Finding Freedom in the Water © Anna Boyiazis
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Finding Freedom in the Water © Anna Boyiazis
The Cubanitas © Diana Markosian, Magnum Photos
Crying for Freedom © Forough Alaei
World Press Photo 世界報道写真展
レジリエンス ── 変化を呼び覚ます女性たちの物語
World Press Photo Foundation (世界報道写真財団)は1955年、オランダ・アムステルダムにて発足。世界各国で起こっている現実を伝える活動に従事する。発足以来毎年、前年に撮影された写真を対象とした「世界報道写真コンテスト」を実施。国際審査員団によって入賞作品が選ばれ、世界中の120会場にて展示されている。2023年の世界報道写真財団の展示では、2000年から2021年までの世界報道写真コンテストで受賞した世界各国の女性・少女・コミュニティにおけるレジリエンス(しなやかに適応する力)および挑戦に焦点を当てたストーリーを紹介する。ジェンダーの平等と公正は基本的人権であり、社会の結束には不可欠である。しかし今なお世界中の女性が根深い不平等に直面し、政治的・経済的な役割において、依然として十分な存在感を示すことができていない。また女性に対する暴力は、世界的に深刻な問題であり、保護されるべき問題である。本展では、女性の権利やジェンダーの平等・公正へのコミットメントにアプローチする。世界13ヵ国から17人の写真家が記録した様々な「声」は、性差別、ジェンダーに起因する暴力、リプロダクティヴ・ライツ(性と生殖に関する権利)、女性の権利、ジェンダー平等と公正などの問題に対する洞察を提示している。21世紀を迎えた現在、女性やジェンダーの問題がどのように変化してきたか、またフォトジャーナリズムがどのように発展してきたかを辿る。
JOIN OUR TEAM!! インターンシップ募集開始
2023春開催に向けて、様々なチームや部門でインターンを募集いたします。
アートに関わる仕事や、アーティストのサポートに興味がある、国際色豊かな現場で語学を生かしたいなどの熱意をお持ちの方、それぞれ気になる分野でクリエイティブチームの一員として活動し、内側からアートの現場を経験してみませんか?
また、フリーランスという働き方に興味のある方にもおすすめです。
5月半ばのフェスティバル終了まで継続的に、意欲的に取り組んでいただけるという皆様のご応募をお待ちしております。
2013
FAX +81 (0) 75 708 7126
KYOTOGRAPHIE 事務局