FEDERICO ESTOL フェデリコ・エストル
シャイン・ヒーローズ
KG+SELECT Award 2025 Winner
セノグラファー: Spinning Plates
※入場は閉館の30分前まで
ボリビアの靴磨きたちとともに、周縁に追いやられたコミュニティを ヒーローとして捉え直し、そのアイデンテイティと結束を映し出す
ボリビアの都市エル・アルトに夜明けが訪れる。丘の上には仮面をつけた一列の人影が現れ、マントを冷たい風にはためかせながら、隣接するラパスの街を見下ろしている。長年にわたりこの街は二人のスーパーヴィラン(超悪党)、ミスター・バロとミスター・フモに脅かされてきた。彼らは黄色い煙の雲で市民を呪い、靴を汚してしまうのだ。しかし、毎日街へ下りてきて悪を退治する靴磨き職人たちのおかげで、街に清潔と平和が再びもたらされる──
これは、ウルグアイ出身のアーティスト、フェデリコ・エストルによる協働型写真プロジェクト〈シャイン・ヒーローズ〉の物語です。ボリビア・ラパスの街頭で働くストリート・ワーカーたちに対する嫌悪的な偏見を払拭することを目的として2015年に始まり、60人の靴磨き職人たちと彼らのためのチャリティ新聞『Hormigón Armado(鉄筋コンクリート)』とのコラボレーションによって発展を遂げてきました。
ラパスやエル・アルト近郊には、毎日およそ3,000人の靴磨き職人が客を求めて街に繰り出しています。彼らを特徴づけているのは、周囲に気づかれないように着けているスキーマスクです。近所では、彼らが靴磨きの仕事をしていることは誰も知りません。街の中心部へ向かうときは顔を隠しているので、家族でさえかれらがどんな仕事をしているか知らないほどです。マスクは彼らの最強のアイデンティティであり、自分たちを見えなくするのと同時に団結させます。この集団的な匿名性こそが、他の社会と対峙する際に彼らをより強くし、仕事によって被る排除に対する抵抗の手段となっています。
エストルは15年以上にわたり、南米でコミュニティ・オーガナイザーとして活動してきました。その実践の基盤には、ブラジルのふたりの高名な思想家、パウロ・フレイレとアウグスト・ボアールの影響があります。フレイレは1968年出版の著書『被抑圧者の教育学』で、教育を一方的な知識の伝達ではなく、協働的な営みとして捉え直しました。そこから1970年代に生まれたのが、ボアールの「被抑圧者の演劇」です。これは観客参加型の演劇で、パフォーマンスを通して現実の抑圧に挑むものとなっています。
エストルの実践において、フィクションは社会変革のための強力なツールとして活用されてきました。そこから導かれる考え方のひとつは、現実はリハーサルできる、ということです。「パフォーマンスは、日常から抜け出す道を示してくれます」とエストルは言います。「フィクションが出口となり、希望を与え、変化を引き起こす可能性があるのです」。エル・アルトの鮮やかなネオ・アンデス建築を舞台に、靴磨き職人たちは自らの逸話を演じなおすことで、まったく新しい物語を創り上げました。そして今、あなたをその世界へと招待します。
©︎ Takeshi Asano-KYOTOGRAPHIE 2026
Shine Heroes, 2018 © Federico Estol
Shine Heroes, 2018 © Federico Estol
Shine Heroes, 2018 © Federico Estel
Fees 入場料
大人: ¥800
学生: ¥400 (学生証の提示をお願いします。)
会期中1回、全会場に入場できる特別パスポートチケットもございます。
詳しくはこちらをご覧ください。
artist アーティスト
Federico Estol フェデリコ・エストル
ウルグアイ出身の写真家兼アーティヴィスト。現在はラテンアメリカを拠点に、ビジュアル・ストーリーテラーとして物語の創作に取り組む。彼の長期プロジェクトは、文化的アイデンティティ、不平等、社会正義の関係性に焦点を当てている。また、国際的なフェスティバル「SAN JOSÉ FOTO」のアーティスティック・ディレクターを務め、ウルグアイの写真を専門とする出版社「El Ministerio Ediciones」ではフォトブックの編集者としても活動。「East Wing Gallery Doha-Berlin」が代理を務めており、作品はパリのソルボンヌ大学IHEALラテンアメリカ研究所、ブエノスアイレスのFOLAラテンアメリカ写真図書館、スイスのアヴァンギャルド美術館、中国の麗水写真美術館、ノルウェー国立写真美術館など、さまざまな個人および公的コレクションに収蔵されている。
Venue 会場
誉田屋源兵衛 黒蔵
- 開館時間
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10:00–18:00
※入場は閉館の30分前まで
- 休館日
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無休
- 住所
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京都市中京区室町通三条下ル 西側
- アクセス
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地下鉄烏丸線または東西線「烏丸御池」駅 6番出口から徒歩4分
- アクセシビリティー
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建物内への車椅子乗入れができません。入り口および展示空間に段差や階段がございます。
当会場にはバリアフリートイレはございません。靴を脱いでご入場いただきます。
キャッシュレス決済のみご利用いただけます。