YVES MARCHAND & ROMAIN MEFFRE イヴ・マルシャン& ロマ・メェッフェル
フランスの写真家ユニットが、現代の廃墟を大判カメラで捉えた作品 とともに初期の写真機材で撮影した写真にAl のテクノロジーを組み 合わせた作品や、京都を被写体に制作した新シリーズを発表
20年以上にわたりデュオとして活動してきたイヴ・マルシャン&ロマ・メェッフェルは、近代建築の廃墟を大判カメラで撮影した作品で広く知られています。北米各地の無人の劇場、日本の「軍艦島」、そしてデトロイトの都市衰退の風景など、その対象は多岐にわたります。近年、ふたりはAl 技術を用いて、パリという都市そのものを「終末後」の廃墟へと変容させる実験にも取り組んできました。そこでは、ポンピドゥー・センターは錆びつき、ルーヴルのガラスピラミッドは砕け散り、ムーラン・ルージュは蔦に呑み込まれています。
KYOTOGRAPHIE 2026 では、マルシャン&メェッフェルが長年取り組んできた建築的廃墟についての研究である〈The Ruins of Detroit〉〈軍艦島〉〈Les Ruines de Paris〉のシリーズから作品を幅広く展示します。さらに、ふたりは京都でも新たなシリーズを制作します。パリと同じ手法を用い、Al によってこの古都を荒廃した廃墟へと変貌させる試みです。歴史と介入が交差するこの展示のなかで、マルシャン&メェッフェルは、写真が持つ真正性、Al が私たちを欺き得る力、そして現実と虚構の境界のあわいに問いを投げかけます。
c803d74b-86ff-49a9-b633-3d83e9633402, Ruines de Paris, 2024 © Yves Marchand & Romain Meffre
Ballroom, Lee Plaza Hotel, Detroit, 2006 © Yves Marchand & Romain Meffre
Looking South from the embankment, Gunkanjima, 2012 © Yves Marchand & Romain Meffre