PIETER HUGO ピーター・ヒューゴ

SOUTH AFRICA IN FOCUS

What the Light Falls On

23 年にわたり積み重ねられてきた膨大な数の撮影を通じ、 生と死、そしてそのはざまにある儀礼について深く思索する

ヒューゴの初期のプロジェクトは、明確なテーマのもとに構築されたヴィジュアル・エッセイの形式を取っていましたが、〈What the Light Falls On〉シリーズでは、より自由なアプローチが取られています。決められた枠組みの内側で制作するのではなく、彼は場所と時間に直感的に反応し、「根源的な坊径衝動」と自身が名付けたものに導かれながら撮影を行っています。20年以上にわたって向き合ってきたこのシリーズでは、ポートレート、風景、静物が交差し、経験と情動のありようについての対話的で個人的な省察へとつながっています。

この作品群の中心には、死に対する思索があります。〈What the Light Falls On〉は「生」から始まり「死」で終わります—冒頭には娘の誕生の瞬間が登場し、最後には亡き父の臨終の姿が収められています。ヒューゴはこう語ります。「これは中年期と結びついたものなのです」と彼は言います。「肉体的にも精神的にも柔らかくなっていくこと、美と悲劇、残酷さと優しさ—これらが繰り返される生命の循環のことでもあるのです。哲学者セネカが簡潔に述べたように、「あらゆる新しい始まりは、別の始まりの終わりから生まれる」のです」

<em>Sophie on the winter solstice, Nature's Valley,</em> 2020 © Pieter Hugo

Sophie on the winter solstice, Nature's Valley, 2020 © Pieter Hugo

<em>Afternoon nap interrupted, Nature's Valley, </em>2012 © Pieter Hugo

Afternoon nap interrupted, Nature's Valley, 2012 © Pieter Hugo

<em>Frog Mountain, Swellendam, </em>2018 © Pieter Hugo

Frog Mountain, Swellendam, 2018 © Pieter Hugo

<em>Truck driver, Kano,</em> 2023 © Pieter Hugo

Truck driver, Kano, 2023 © Pieter Hugo

artist アーティスト

Pieter Hugo ピーター・ヒューゴ

1976年、ヨハネスブルグ生まれ。ケープタウンを拠点に活動する写真家。ムゼウ・コレソン・ベラルド、ハーグ写真美術館、エリゼ写真美術館(スイス ローザンヌ)、ストックホルム写真美術館、イタリア国立21世紀美術館(MAXXI) など、多くの機関で大規模な個展を開催している。2008年には、アルル国際写真祭のディスカバリー賞とKLMポール・ハフ賞の両方を受賞。2012年にはドイツ銀行写真賞のショートリストに選出され、2015年にはプリ・ピクテの最終候補に選出される。

Venue 会場

京都市京セラ美術館 本館 南回廊 2階

住所

〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町 124

アクセス

地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約8分

京阪「三条駅」・地下鉄東西線「三条京阪駅」より徒歩約16分

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