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Masterclass マスタークラス

吉田亮人 | フェデリコ・エストル | イヴ・マルシャン& ロマ・メェッフェル|山内浩|福島あつし

KYOTOGRAPHIE マスタークラスは、フェスティバルが招聘する世界的なアーティストから直接学ぶことができる特別な機会を提供します。写真を撮る人から観る人まで幅広い層を対象とした各マスタークラスはアーティストの思考や手法に着想を得た内容となっています。創造的な探求と実践的な作業を組み合わせた構成で、アーティストとの直接対話を通じた貴重な学びの機会を提供します。

写真と言葉:対話から始まる作品制作

写真プロジェクト制作の過程に新たな視点を見出したい方、構想中のアイデアを次の段階へ押し上げたい方のためのマスタークラスを開催します。
誰もが高性能な機材を手にできる今、「何を、なぜ撮るのか」という問いから逃げることはできなくなったと言っていいでしょう。

このプログラムは、完成作または制作途中の自分の表現に責任を持って向き合う写真家・ビジュアルアーティストを対象としています。講師と参加者同士による率直な講評と対話を通して、作品の曖昧さを洗い出し、意図と方向性を研ぎ澄ませていきます。イメージと言葉を往復するプロセスは、ときに衝突のように感じられるかもしれませんが、その摩擦こそが制作を次の段階へ押し上げる原動力になります。

このマスタークラスはKYOTOGRAPHIEの会期前・会期中・会期後の全3回で構成され、フェスティバルでの体験を制作へと還元する循環的なプロセスを重視します。会期前、会期後の回はオンライン参加も可能、会期中の回は対面参加が必須です。展示から受け取った刺激をそのまま消費するのではなく、自身の作品に引き寄せ、検証し、継続的に更新し発展させる循環をつくります。

作品制作は孤独な営みになりがちですが、ここでは他者の視点が容赦なく介入します。制作・思考・言語化の3基点間の移動を繰り返す中で、自分が本当に作りたいものは何か、どこへ向かうのかがはっきりと見えてくるはずです。現状に満足していない人、次の一歩を本気で踏み出したい人の参加をお待ちしています。

プログラム概要
第1回(会期前)|写真と言葉で自作を理解する
レクチャー/言語化の実践/作品レビューと対話

第2回(会期中)|展示体験を自分の表現に変換する
展示体験の共有と言語化/作品レビューと対話

第3回(会期後)|作品をまとめ、次の制作へ
作品レビューと対話/次の制作に向けた方向性の整理

日時

4月11日 10:00–17:00

5月2日 10:00–17:00

6月6日 10:00–17:00

会場

八竹庵(旧川崎家住宅)2階洋間 他

参加費

45,000円

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Artivism: 当事者によるフィクションと、非当事者によるノンフィクション

アクティビズムと視覚表現の親和性はきわめて高く、決して新しいものではありません。その実践はジャーナリズムやドキュメンタリーの領域にとどまらず、アートやコマーシャルのフィールドにも広がっています。そこでは、単に主題を提示するだけでなく、メッセージそのものの伝え方に明確な意図や立場を埋め込んだ作品が数多く生み出されてきました。

こうした作品は、見る者の注意を引きつけにくい深刻なテーマや視覚的に退屈になりがちな題材に対し、どのような語り口なら届くのかを探り続けた実験の積み重ねから生まれます。核心にあるのは、ある種の逆説ですー「重い問題を重いまま提示しても、人はなかなか立ち止まって注意を払わない...」

当事者と協働するフィクション的アプローチは、観察者の立場から制作されるノンフィクションよりも強い共振を生むことがあります。その理由は題材についての真実性が問題だからではなく、当事者性・非当事者性が問題だからです。

このマスタークラスでは、持続可能なアクティヴィズムを可視化するための概念的・実践的ツールを横断的に探求します。当事者による参加型フィクション、協働制作、ナラティブ設計といったアプローチを通して、視覚表現がいかに社会への関与を拡張できるのかを検証します。ここで扱うのは単なる表現技法ではなく、人の視線を動かし、対話を生み、現実への関わり方を更新する方法です。

受講の対象は写真家や映像作家に限りません。イラストレーターやグラフィックデザイナーなどのビジュアルアーティスト、社会学の研究者、メディア関係者、NPO実務者、ソーシャルワーカーなど、社会をどう語るかというフレームを再構築したいすべての人を歓迎します。このマスタークラスは正解を学ぶ場ではなく、表現が社会を揺さぶる瞬間を、自分の手で設計するための実験場です。

日時

4月20日 10:00–17:00

会場

くろちく天正館2F

参加費

20,000円

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©︎ FIFV Festival Chile

ドキュメンタリーの拡張:都市景観、時間、思弁的イメージの探求

このマスタークラスでは、廃墟や変容の途上にある都市空間を主題に、都市探査(UrbEx = Urban Explorer)、大判カメラ、長期的なリサーチに基づく実践で国際的に評価されてきたイヴ・マルシャンとロマン・メェッフェルの制作手法に向き合います。彼らは、建築や風景を、歴史、イデオロギー、経済的力学が可視化された場として捉えてきました。

スケール、精度、時間性といった要素が写真の意味生成にどのように関与するのかを考察し、建築や風景という主題を、従来のドキュメンタリーの枠組みを超えて扱うための視点を探ります。また、近年彼らが取り組んでいるAIを概念的かつリサーチのためのツールとして用いる実践にも触れ、新たなテクノロジーが写真のオーサーシップ(著作権)を損なうことなく、失われた空間や変容した場所、実現されなかった建築をどのように思考・視覚化し得るのかを模索します。

参加者は進行中のプロジェクトを持ち寄り、方法論、倫理、視覚戦略について批評的に向き合う姿勢が求められます。本マスタークラスは、ドキュメンタリー表現を、より内省的で思弁的、かつテクノロジーと接続した実践へと拡張したいと考えるビジュアルアーティストを対象としています。

日時

4月25日 13:00–17:00

4月26日 10:00–17:00

会場

未定

参加費

25,000 円

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©︎Christophe Marchand

フレームを埋める — 直感と観察がいざなう路上の瞬間

KYOTOGRAPHIEの会期中に行われるこのマスタークラスでは、フェスティバルのスタッフフォトグラファーによるショートレクチャーや実地撮影をおこない、、グループ講評を通して京都におけるストリート写真を探求します。

幾重にも重なる身振り、移ろう光、束の間の出会いが満ちるストリートへ足を踏み入れ、都市の多層的なエネルギーを体感します。被写体を「探す」のではなく、フレームの中で関係性がどのように立ち現れるかに目を向けることを重視します。異なる要素同士が、感情的あるいは空気感としてどのように結びつくのかを理解していきます。

レイヤリング、忍耐、色彩、光、そして直感がこのマスタークラスの核となります。カメラは、すでにそこで起きている出来事へ反応する為の架け橋として捉えます。

経験や使用機材を問わず参加可能です。観察、内省、そして対話を重視し、作品を共有し議論することで視覚的感受性を深め、日常のささやかな出会いを意味ある写真へと昇華させる可能性を探ります。

日時

4月29日 10:00–17:00

4月30日 10:00–17:00

会場

八竹庵(旧川崎家住宅)2階洋間 他

参加費

15,000 円

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©︎ Hiroshi Yamauchi / KYOTOGRAPHIE

あなたの物語に光をあてる

自身の生活を作品にする写真家、福島あつしの目線はいつも主観であり一人称です。他者として誰かの生活に入り込んでいくというプロセスを経ない彼の発信には本人のみが持ちうる正直さや生々しい吐露が垣間見えます。「制作はとてもシンプルで、誰にでも実践可能なもの」と言う福島は、写真を通して自己の表現や理解を深められると信じています。

このマスタークラスでは、いわゆる「私写真」ではない自身に向けた肯定や疑問、告発や啓示をどう視覚的に捉え表現するのかについて学びます。既に自分の生活の周縁を記録している写真家たちが、写真の編集や視覚表現の言語化を通して主観で紡いだナラティブをどのように他者へ伝えるのかを思考し試行する機会です。

日時

5月3日 10:00–17:00

会場

八竹庵(旧川崎家住宅)2階洋間

参加費

15,000 円

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© Atsushi Fukushima