©︎ Narahara Ikko Archives
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2020年に逝去した日本を代表する写真家のひとりである奈良原一高は、13歳で終戦を迎え、「不毛」それ自体を戦争が終わった新しい日常を生きる手がかりとした。
戦後の日本では日本文化が否定され、自分たちの文化を知らずに育った奈良原は、1962-65年、ヨーロッパ滞在中に日本文化の魅力に触れる。自身にとって魅惑的な未知の領域である日本文化を撮影しようと、帰国後に《Japanesque》シリーズを制作。本展では、《Japanesque》シリーズのひとつである〈禅〉を展示する。曹洞宗大本山總持寺(神奈川県横浜市)や總持寺祖院(石川県輪島市)にて、禅僧や僧堂等を被写体とした作品の一つひとつには、力強さの中に静謐な時間が流れる。
「時として僕には写真を撮る行為そのものが禅に近づいてゆく道程のような気がしてくる」と語る奈良原の貴重な作品群が、京都最古の禅寺・建仁寺山内の両足院で展示される。
両足院(建仁寺山内)
10:00 - 17:00
入場は閉館の30分前まで
一般:¥1000
学生:¥800(要学生証提示)
休館日:4/13、4/20、4/27
両足院(建仁寺山内)
京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591
京阪「祇園四条」駅3番出口から徒歩7分
阪急「京都河原町」駅1番出口から徒歩10分
奈良原一高
1931年福岡県生まれ。1954年中央大学法学部卒業、1959年早稲田大学大学院 文学研究科 芸術学専攻修士課程修了。1959年に東松照明、細江英公、川田喜久治、佐藤明、丹野章らとともに写真のセルフ・エージェンシー「VIVO」を設立(1961年解散)。1962–65年パリに、1970–74年はニューヨークに在住。1974年以降は東京で精力的に活動し、国内外で高い評価を受ける。『ヨーロッパ・静止した時間』(鹿島出版社 1967年)、『消滅した時間』(朝日新聞社 1975)ほか、数十冊の写真集を刊行。主な個展に「人間の土地」(松島ギャラリー 東京 1956)「Ikko Narahara」(ヨーロッパ写真美術館 パリ 2002–2003)、「時空の鏡:シンクロニシティ」(東京都写真美術館 2004)など。主な受賞に日本写真批評家協会新人賞(1958)、第2回ヴェネツィア国際写真ビエンナーレ銅賞(1959)、芸術選奨文部科学大臣賞(1968)、毎日芸術賞(1968)、紫綬褒章(1996)などがある。2020年1月逝去。本展では、1969年に『カメラ毎日』に連載され、1970年に田中一光のデザインにより写真集(毎日新聞社刊)にまとめられた「JAPANESQUE(ジャパネスク)」の「禅」シリーズを展示する。
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2022.4.10(日) | 13:00-14:30
2022.4.10 Sun | 13:00-14:30
「奈良原一高アーカイブズと奈良原一高作品 ジャパネスク〈禅〉について」| 第一部・新美虎夫(奈良原一高アーカイブズ代表) / 第二部・蔦谷典子(島根県立美術館主任学芸員)[日]
両足院(建仁寺山内)
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